+++ date = "2024-05-01T00:00:00+09:00" tags = ["author"] title = "構成と参照" +++ ## 心と技 漫画で一番重要なのは、他のものと同じ。心や魂と呼ばれるものになる。これは現実でも物語の中でも同じ。 ただし、それだけで漫画が描けるかというと、それは違う。 では漫画はどのように書けばいいのだろうか。その答えとしては「好きに書けばいい」となる。 この答えも非常に難しい。 好きなものを好きに書かなければ面白くならないし、好きなものを好きに書くだけでは面白くならない。 例えば、嫌なものを嫌々書いても面白い作品ができるとは思えない一方、好き勝手書いて面白い作品ができるかというと、そうはならない。 つまり、漫画を書くのはけっこう大変なんじゃないってこと。 でも好きじゃなければ続けるのは難しい。 だから、漫画を書くのは好きだったほうがいい。 それを現した言葉が先程の「好きに書けばいい」ということになる。 私は面白いものが書きたいと思っていて、それは、読んだ人を楽しませたいと思っているから。 じゃあ読んだ人を楽しませるにはどうすればいいのかというと、これはテクニック、つまり、技の問題でもあり、心の問題でもある。 まずは、感情があって、心がある。自分が伝えたいこと、それがある。それがないと、その人の話はつまらないと思う。 だから自分が伝えたいことをどう面白く絵で伝えるのか、それが漫画。 では、どうやったら面白く伝えられるのか。そこではじめて技が関係してくる。 例えば、後述する陰と陽の考え方がある。陰と陽の混じり合いで物語は面白くなる。 私が好きな瞬間というのもいくつかある。 敵が味方になる瞬間。一人だと思っていたら、沢山の人が支えてくれていたことがわかる瞬間。本当のことがわかった瞬間。心が通じた瞬間。 その瞬間、その一コマのために、たくさんのコマや物語を積み重ね、積み上げていく。 ## 陰と陽 物語において、主人公のライバルの存在は非常に重要。 例えば、この世界が陰と陽でできているという考えがある。 必ず反対のものが存在するなら、物語においてもそのルールに則らなければならない。 それがライバルの存在であり、ライバルの存在は物語を面白くするポイントだと思う。 ライバルで有名なのは、悟空とベジータ、ナルトとサスケなど。これらは主人公の敵と言ってもいい。 ベジータやサスケに嫌悪感を示す人もたくさんいて、あのようなキャラクターは出すべきではない、最終的に始末したほうがよかったという意見がある。 最終的にどうするかは好みの問題だと思うけど、これらの作品においては、陰のキャラクターが物語を面白くしていると言っても過言ではないので、それを取り除くというのは、あり得ない。 やはり面白い作品というのは、陽ばかりのキャラクターではなく、陽と陰、その混じり合いで面白くなるのだと思う。 ただし、最終的にどうするかについては、好みの問題だと思う。 例えば、アベンジャーズは、最終的に敵、陰を討ち滅ぼすことで完結している。 ここは日本とアメリカでどのように描くか傾向が異なると思う。私はどちらも好きだし、どちらも面白く作るのは可能だと思う。 ## 終局 最後のボスは、とことんしつこい。 倒したと思ったら、倒していない。 ボスにはボスになるだけの理由があり、器がある。 そのボスは主人公達の力と同じ。 どんな卑怯な手を使っても蘇り向かってくる。 力の差があまりに大きい場合は、負けることもあるだろう。 ただし、主人公は諦めない。勝つまでやめない。 負けてもパワーアップして悪に挑み、最後に勝つ。