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date = "2020-05-28"
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tags = ["private"]
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title = "表現の自由について考えてみよう"
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slug = "private"
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### 最近の世論
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最近、あまり思わしくない方向に世論が形成されていきそうな雰囲気を感じているので、あまり書きたい話ではないのですけど、今一度、表現の自由について考えてみようという内容で書いていこうと思います。
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まずは、少し前に芸能人の方が大勢からすごい批判を浴びることがありました。この人を芸能人Aとします。
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その芸能人の発言自体は不適切と判断された模様で、大多数の批判は的を得ており、適切だったと思います。
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しかし、批判が多かったので、それをいじめだと認定して、批判を批判する人たちまでもが登場し、色々と話題を呼びました。
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その時、私は、自分の考えがあったのですが、特に何も言わずスルーしていました。
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あの時点で私がなにかいう必要は特にないだろうと考えていたからです。
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ですが、今度は、TVに出ていた人がSNSで批判され、それが原因かはわかりませんが、自殺してしまうという痛ましい事案がありました。
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これによって、世論は急速に「批判や誹謗中傷を絶対に許さない」みたいな方向にシフト。新しい法整備も検討されているみたいです。
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しかし、既に誹謗中傷などは法律によって規制され、特定も難しくはありません。
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この問題、どう考えていけばいいのでしょうか。
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### 職務上の性質
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まず最初に、芸能人が大勢から批判されたり、またはプライベートを暴露されたして、大変な目にあっている、これをどう考えればいいのかです。
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ある芸能人がこのようなことを言ったことがありました。
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「自分について良いニュースはどんどん宣伝してくれ。でも、悪いニュースを流すことは絶対に許さない。そんなことになれば、世間から批判を浴びる。いじめと変わらないじゃないか」
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これは芸能人の性質、自分の仕事を理解していない人の発言でした。
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これに対して、このような判例があります。
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「その情報は確かに芸能人のプライバシーに関わる情報だが、職務の性質上、それが公の利益に資するなら、そのプライバシーの要請は若干、低くなる」
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つまり、世間に対する多大な影響力を持っているにも関わらず、よい部分だけは報酬や称賛を得て、その人が失言したとき、批判されたときの不利益は受け付けないというのは、通らないのです。
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より大きな影響力には、より大きな責任が伴います。
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それを、自分にとって有利なものだけ受け取って、不利は絶対に受け付けないというのは、公平でもなければ、公正でもありません。
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もちろん、何をどう考えようと個人の自由です。
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現に私自身は、芸能人Aの発言について特に何も言いませんでした。それがその人の考え方なんだろうと思ったくらいです。
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また、その芸能人A自身は、自分の職務上の性質を理解されているみたいで、批判は普通に受け止められてたと思います。大勢がよってたかっていじめじゃないか、そんなのは許されないなんてことを言いませんでした。
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ただ、批判を批判する人に関しては、そういった性質を全く理解されていないように思います。
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芸能人が一人の人間なら、批判する人もひとりひとりの人間です。
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私にとって、どちらに対しても、それがその人の考え方なんだろう以外に思うところはありません。
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### 誹謗中傷
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誹謗中傷は、個人を傷つけるためだけに悪意からなされたものですが、そのような表現を規制する法律は既にいくつもあります。
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例えば、刑法上の侮辱罪や名誉毀損、ネット関連では、プロバイダ責任法など。
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このように個別的事案や少数者は、これらの法律によってケアされるべきと考えます。
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精神的に追い詰められてしまった人が行くところは病院であったり、専門家のところです。
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SNSでこういった事件が起こったとき、多くの批判や誹謗中傷を行った人達へ対処しようと考えているようですが、個人的には炎上元の個人が専門家のケアを受けられるようにしたほうが効率が良いと思います。
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大規模な炎上が起こるのも日に数十件くらいでしょう。炎上に加担したすべてのユーザーを対処するより、発生源を支援するほうが合理的です。
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そして、表現の自由を一律に制限したり、萎縮効果を発生させるような法整備に私は反対です。
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### 表現の自由
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表現の自由という言葉は曖昧で、それがどういう意味なのか、よくわからないってことありますよね。
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表現の自由を簡単に説明すると「言論同士を戦わせれば、より良いものが自然と残る」という信頼を前提に構築された理論です。
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例えば、批判があったとするじゃないですか。表現の自由は、そこで黙るのではなく、その批判が間違っているのなら言論には言論で対抗せよという精神の下にあるので、最も良くないことは、黙ること、口を閉じることなんです。
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この前、ある有名な経営者の方が、国益を損なうようなことをやろうとし、大勢の人がtwitterで批判してそれを止めるということがありました。
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実は、歴史において、世の中を良くしていたのは、賛美や称賛ではなく、批判であることのほうが多かったりします。
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今回のコロナ禍においても、批判というのは大惨事を防いだかもしれなくて、私自身は、特に何も言わなかったしやらなかったわけですが、批判してくれた人たちのおかげで、本当におかげで、本当に良かったと思っています。
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このように、全体の利益を考えるのなら、自由な言論市場を保障し、その環境を作っていくということは、最大の防衛線であり、最高の防衛線です。
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もちろん、良いことも悪いこともあります。ですが、悪いことは現在の法律でも十分に対処可能。むしろ、自由な言論市場への抑制のほうが気になります。完璧にクリーンな言論を目指してはいけません。総合的に見ると、それは全体の利益を損ないます。萎縮効果が発生し、その効果は多くの問題ない一般人に影響を及ぼします。
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言論には言論で対抗する、言論同士を戦わせれば、より良いものが自然に残る、そういった信頼を含め、私は、世の中はよくなってきて、これからもっと良くなっていくと考えています。
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これはデータからも明らかです。世の中は過去に比べ遥かに良くなりました。山あり谷ありですが、総合的に見て、これからも、もっと良くなっていくであろうことが推察できます。
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表現の自由も、おそらく、このことに寄与しているのでしょう。そんなことを思います。
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