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hugo/old/2017-02-26-trans.md
2024-12-21 23:10:54 +09:00

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+++ date = "2017-02-26" tags = ["private"] title = "Google翻訳の結果について" slug = "trans" +++

Google翻訳の結果について

結論

Google翻訳の結果を使用することについては、特別な事情でもない限り、著作権法上またはライセンス上の問題はおそらく発生しない

根拠

著作権法の対象は人に限定されているように見えること

及び、その翻訳結果に対し、もしライセンス上の問題が発生するなら、APIなどの使用が制限される上、その結果について怖くて誰も使えないことが予想されるから

補足(翻訳サービスの利用方法について)

ただし、翻訳サービスによって、その利用形態(使用形態)に特別の利用規約を設けている場合があり、その利用が制限される可能性はある

利用形態(使用形態)というのは、例えば、webスクレイピングなどの方法によって結果を取得するなどの行為を禁じている場合があり、このようにサービスによって利用方法は異なってくると思われる。そのため、サービスの利用方法に一定の禁止条項が設定されている場合があり、その点においては注意が必要になることが考えられる

(多分、Vim Pluginで問題になったのは、この利用形態に抵触したためだと考えられる)

分かりやすい感じで説明

つまり、機械翻訳の使用といっても、その結果の使用と利用方法によっては異なる結論が導かれることが予想されます。よって、これらを分けて考える必要が出てくると思われます。

また、著作権法上の問題とライセンス上の問題によっても分類できると考えられます。

ここで、著作権法の問題とラインセスの問題の違いは法的には、個人の意思によって分けられる問題だと思います。多分ですが、個人の意思が任意条項としてライセンス上に明記されている場合は、ラインセスが優先されます。ただし、強行規定または個人の意思が明確でない場合には法律が適用され、その場合、著作権法上の問題になると考えられます(あくまで基本的にはですが)。

今回、問題になったのは翻訳結果に関してであり、それはおそらく著作権法やライセンスの問題になる事はあまり多くはないだろうというのが個人的な意見です。

よって、件のプロジェクトではあの場合どうすればよかったのかというと、ライセンスや著作権法、翻訳サービスの問題とするのではなく、あくまで「機械翻訳ではその結果の品質が良くないので、それをつっこむのはやめてほしい」とすればよかったのではないのかなーと私は思いました。

このような案件は、多分ですが、専門家でも大きく意見が別れる内容ではないかなと私は思います。

そして、Google翻訳の結果を使用することに関して、Googleと翻訳結果を使った人が裁判で争った例(判例)を私は知りません(単に私の認識不足のせいですが)。

著作権法の問題にしても、ライセンスの問題にしても、これらは、親告罪的な要素を含むものだと考えられます。

ここで、親告罪的な要素を含むというのは、権利侵害された側が訴えを起こさなければ、その権利主張は認められないということでもあります。よって、この問題の対立関係は、著作権やライセンス上の問題と定義する限り「Google vs Google翻訳の結果をOSSに突っ込んだ人」になります。

もちろん、プロジェクトで使用していればプロジェクト代表やプロジェクト全体がGoogleに訴えられるという事も考えられるかもしれませんが、これについても意見は分かれるでしょう。例えば、著作権を侵害している投稿があったとして、であればすぐさまサービス運営が責任を問われるケースは日本ではあまり多くはなく、かつ、その対象が機械翻訳の結果となればなおさらです。理由としては、機械翻訳が人の生命、財産などに危害を及ぼす可能性が低いと考えられるからです。仮に殺人予告とかだった場合、サービス運営の責任が問われる可能性も高くなるとは思います。なぜなら、それは人の生命に関わる重大な事案だからです。そして、全体が責任を問われるケースにおいては、法律上割りと厳しめにかつ厳格に規定されている場合が多く、よって、一定の条件を満たさなければその責任を追求することは困難だと考えられます(一般的には)。

このように、サービスやプロジェクト全体が個人投稿に対して責任を問われるケースでは、その投稿内容が社会的・個人的に及ぼす事の重大性(人の生命の危険に関わるものかどうかなど)が影響してくると考えられます。ここで、私の意見としては、仮にGoogleに訴えられるようなことがあったとして、機械翻訳の結果の投稿に関しては、日本ではおそらく個人責任となるケースが多いのではないだろうかと考えます(適当)。

そして、個人責任となる場合は、「Google vs Google翻訳の結果をOSSに突っ込んだ人」という対立構造になることが考えられます。仮にこのような対立構造になったとして(そもそもGoogleが翻訳結果の使用に関して裁判で権利主張を行うこと自体があまりないことだとは思いますが)、そうなった場合でも私が思うのは最初に結論として述べたとおり「Google翻訳の結果を使用することについては、特別な事情でもない限り、著作権法上またはライセンス上の問題はおそらく発生しない」のではないのかなとそんなことを思いました。

まあ、裁判の結果について絶対というものはないのですけど(最高裁でひっくり返ったりもするので)、私が適当に思ったこととしては、大体こんな感じでした。

以上